4月24日 開校記念日にあたって

  開校記念日にあたって 

                                                            校 長  田中 浩子

 直方高校生徒の皆さん、臨時休校が続いていますがお元気ですか。外出自粛要請が出され窮屈な思いをしている人もいるでしょうが、感染が終息に向かわなければ学校の再開は見込めません。今は一人一人の心がけが重要とされる時です。自分だけなら構わないだろうという考えではなく、社会の一員であることを自覚してこの緊急事態を一緒に乗り越えましょう。  

  さて今日は、直方高校が開校してちょうど111年目にあたります。開校記念日は、本校の長い歴史を共に喜び、またこれまでの歴史を築いてくださった多くの先生方や卒業生に感謝するとともに、伝統と校風を受け継ぎさらに発展させていくことを新たに決意する日です。  

  そこで、開校記念にあたり、直方高校の歴史を振り返りたいと思います。

 本校は明治42年に直方北小学校の隣に福岡県立直方高等女学校として開校し、4月24日に第1回目の入学式を行いました。当時、県内には4校の女学校がありましたが、いずれも郡立や町立で、県立の高等女学校としては本校が県下の女子教育を行う要として第一番目に創設されました。以降、4月24日を直方高校の開校記念日として毎年お祝いをしています。

 また、同窓会である陵江会も学校創立と同時に発足しました。「陵江」とは遠賀川のことを示しており、「遠賀川の流れは休むことなく終始先へ先へと進み行き目的の海に注ぎ入っている。人の学問修養の道もこのようでなければならない。」との思いで同窓会の名称として付けられたと聞いています。  

  直方高校と言えば、女子の制服のスカートの白線が特徴的ですが、これは昭和17年に直方高女の誇りとして白線を入れるようになったことが始まりだそうです。  

  その後、昭和23年には、戦後の学制改革により校名を福岡県立直方女子高等学校と改め、翌年昭和24年には男女共学の福岡県立直方高等学校となりました。昭和61年には体育コースが設置され、平成17年度からスポーツ科学コースと改称され今日に至っています。  

  現在の校章、直方の「N」という字の中心に高校の「高」の字を浮き上がらせたデザインは福岡県立直方高等学校となった昭和24年に制定されています。

 現在の校歌は、その3年後、昭和27年に、作詞が昭和時代に芥川賞を受賞した著名な小説家 火野葦平氏、作曲が夏の高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」を作曲した古関裕而氏という大変有名なお二人によって作られました。校歌同様、作詞・作曲者についても是非とも覚えておいて欲しいと思いますし、このようなお二人によって作られた校歌に、皆さんは在校生として誇りを持ち、常に声高らかに歌って欲しいと思います。 

   さて、昇降口前には「礼節、努力、理想」という校訓碑があります。この3つの言葉には、皆さんが文武両道の校風のもと、勉強だけでなく学校行事や部活動などすべてに真剣に取り組んで欲しいという、先輩方や地域の方々など多くの人々の願いが込められています。

 以前から、部活動で全国大会を制覇するなど数々の栄光を手にしてきた先輩方は、挨拶や礼儀、気配りなどの「礼節」を大事にし、後輩に受け継いでこられました。また、卒業生は様々な分野で活躍されており、志の実現に向けて今もなお「努力」を続けておられます。何歳になっても努力を続けることができるのは、こんな人材でありたいという「理想」の姿があるからです。皆さんは、この校訓に込められた思いをしっかりと噛みしめ、日々の学校生活をとおして自己を高める努力を続けて欲しいと思います。

 当初は本日の開校記念講演として、本校卒業生で在学時に水泳選手としてアトランタオリンピックに出場した宮崎義伸さんにご講演をお願いしていましたが、やむを得ず中止となりました。PC等でお名前を入力して検索すると、宮崎先輩のご活躍の足跡を知ることができますのでアクセスしてみてください。

 終わりに、現在、昇降口前に今月の言葉「礼儀正しさ 優しさ 逞しさ」を掲示しています。この三つは直高生が持つ良さです。この良さを一人一人の誇りとし胸を張って社会で活躍できる人材へと成長してくれることを大いに期待し、開校記念のメッセージとします。